海外、国内で実例多数!スマート農業で活かされるIT技術

日本で研究・導入が始められている「スマート農業」は、先端技術を農業に活かす取り組みです。
この技術は既に海外で研究が進んでおり、「スマートアグリSmart Agri」「アグテックAgTech」と呼称されています。農業大国であるアメリカはもちろん、痩せた土地で農業向きではなかったオランダでも、ITの最先端技術と農業の組み合わせによって大きな成果を上げています。

アメリカでは巨大な農地にドローンを飛行させ、農薬散布や肥料散布はもちろん、作物や農地の環境を撮影していち早い病気や異常の発見・分析に使用できるようになりました。
人間の目には見えない土壌の水分状況、作物の生育・栄養状況も、センサーを用いた分析が可能になり、適切な作付け量・肥料などを農家にアドバイスしています。

オランダでは約八割の一般農家で、コンピューターによる自動制御システムを使用し、農作物の肥料や給水を管理するようになりました。
さらにビニールハウスの環境保持にも活用され、効率よく付加価値の高い作物を多数生産できるようになり、オランダはアメリカに次ぐ世界第二位の農業輸出額の高い国となっています。

日本における実用例では、東日本大震災の被災地である福島県でもスマート農業プロジェクトが進められています。
福島県南相馬市では水稲の担い手が不足する中、ロボットトラクターによる無人運転、ドローンによる農薬散布、リモート水管理システムなど複数の先端技術が投入された結果、少ない人数でも効率的な水稲生産が可能になりました。